九州大学 総合型選抜II(旧AO) 芸術工学部 芸術工学科 メディアデザインコース の話(2)

さて、ここからが本題、メディアデザインコースの総合型選抜II(旧AO)の話だが、2021年度入試のおおまかな流れの実績は以下のとおり。

詳細は九州大学のHPで公開されている募集要項を確認してください。

もちろん2022年度以降変更があるかもしれないので、2021年度の情報ということで。

 

(1)11月上旬、本人手書きの「志望理由書」と学校作成の「調査書」で出願

 

(2)第1次選抜として「志望理由書」200点満点、「調査書」100点満点で評価され、各評価を合わせて3段階(ABC)で総合評価される

 

(3)第1次選抜合格者は、まず1月半ばの「大学入学共通テスト」を受験する。その1週間後に九大芸術工学部で第2次選抜として「実技」があるので、これを受験する。「共通テスト」500点満点、「実技」250点満点で評価され、合わせて3段階(ABC)で総合評価される

 

これで合格者が決まる。 

メディアデザインコースの総合型選抜IIの募集人員は20人。

ここに何人ぐらいが受験するかというと、2020年度の九州大学の公開データでは「志願者:82人、第2次選抜受験者:72人、合格者:20人」となっている。

2021年度の志願者数と第2次選抜受験者数は大学から夏前に発表があるとおもうので、そちらを確認してほしいが、大体同じようなもののはず。

 

「なるほど、第1次選抜で志願者のうち10人ぐらいが「さすがにこれは」という感じで不合格になって3.5倍くらいの倍率になって、最終的に共通テストと実技で合格者が決まるのね」

 

ってことだが、まてよ?第1次選抜の「さすがにこれは」ってどう判断しているのかな?明らかに調査書の評定が「1」や「2」ばかりだとまずいだろうけど、しょせん調査書は100点満点なので、肝心の選考主力となる200点満点の志望理由書の方はどう評価・採点されているのだろう...

九州大学 総合型選抜II(旧AO) 芸術工学部 芸術工学科 メディアデザインコース の話(1)

私の知り合いが九大の芸術工学部のメディアデザインコースの総合型選抜II(旧AO)を受験して合格したので、募集要項や過去問などを見てアドバイスを行った経験と、その中で「選考過程や基準はどうなんだろう、多分こうじゃないだろうか」と思ったところをつらつら書いておくので参考にどうぞ。

 

以下、私は凝り性なのでかなり深く分析、というよりは憶測を働かせた私の脳内だけにあるものなので「事実はどうなのかは責任は持てません」。

もちろん、九大の関係者ではないし、縁もゆかりもありません。

 

九大の芸術工学部といえば、昔の九州芸工大国立大学法人化の荒波を超えていくため、その法制化の前年に九州大学に吸収合併されてできた学部(と分析)。

 

九州大学とはいいつつ、そのカラーは芸工大時代の独自性・独創性を帯びている。これが良いという人もいるし、悪いという人もいるでしょう。

ただ「「芸術」と「工学」を融合させ、それを研究・教育する」国立の大学、という理念をもつ学部はここしかないのは異論がないことでしょう。

 

近い学縁のところに筑波大学の「情報学群情報メディア創成学類」や早稲田大学の「基幹理工学部表現工学科」があって、九大の芸術工学部受験を考えている人は比較検討している人も多いと思うが、九大の方が「芸術」のウェイトが大きいと思う。

 

なぜなら九大には上記大学の入学選考にない「総合型選抜(旧AO)」があり、そこに「実技」がある。

 

芸術工学部のネット上のいろんな情報を見ると、例えば某知恵の袋かなんかのサイトで「絵をかくのが好きなので将来そういう仕事がしたいので、いい国立大学といったら九州大学芸術工学部どうですか」とか「将来CGを専門的にする仕事がしたいのですが、いい国立大学といったら九州大学芸術工学部どうですか」などというやりとりがあったりするのだが、多分、芸術工学部の性格や学ぶことは、これらの質問者のイメージするものとは、違う、と思う。

 

ここはアートをめざす美術系でもないし、クリエイターの職工職能系でもない(と分析)。

 

前者だったらムサビとか多摩美とかの方が良い。後者だったらHALやそれこそそこがやってる東京国際工科専門職大学に行った方がはるかに就職が良いだろう。

 

芸術工学部は「芸術」と「工学」を融合させたものを「研究」するところであって、その「教育」があるところだから(と分析して思う)。